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大田祥子講演会

皆さん、今日は大変大勢きていただきまして有難うございます。紹介していただきました大田記念病院で内科を担当しております大田祥子でございます。(拍手)せっかく大勢の皆さんにきていただきましたのにいい話ができますかどうか、余りいい話ができないと思いますが、ご勘弁ください。
せっかく生きているんだったら元気で長生きできるように、というのが一番です。みなさんはいろいろと病気をなさった経験がおありですが、元気で長生きをする一番のコツはただ生きているだけというのではなくて、まず一番はおしっこの出たい時に自分でおしっこができる、うんちの出たい時に自分でうんちに行って自分でちゃんと始末ができる。考えましても、これぐらい有難いことはありませんね。うんちが出たくても、嫁さんにお尻をペチペチされても辛いから、出たくても言わずに食べずにおろうかとか、こういうふうな気持ちで毎日過ごしているんだったら、本当に辛いことです。できるだけ人の世話にならずに上手に一生を終えたい。いつまでもいつまでも長生きするのが一番よろしいのですが、私もこの50年近く生きて参りましたが、200年も300年も生きられたという人の話を聞いたこともありませんから、いくいくは最期の時がくる訳です。一足早いか遅いか、たったこれだけの事でお参りする日がくるんですよ。ですが、なかなか上手にお参りすることができないものでして、いつも患者さんに「先生、お参りするときには楽に人に世話にならずにいかせてくださいよ。一服もってください。」といつも言われまして、ああそりゃもう予約を受けとくからと言って、大勢予約を受け取ります。ですが、じゃああなたは今晩この薬を飲んでお参りしてください。そう言って次々薬を配るわけにはいきませんから、この最期というのはやっぱり、神様の思し召しによるわけですから、その最期の時をいかに上手に迎えるかというのは、やっぱり皆さん辛いことですが毎日毎日の努力です。まあ、食べたいものをたらふく食べて、横着をしほうだいして、テレビの前でフウカフウカ昼寝をして、寝たい時に寝て、優雅な生活をして、ある日自分の知らないうちにコロっといけたら、これほどよろしいことはありません。そういう薬があったら、私も一服もってほしいと常々思っております。
それで、最近の話ですが、バスツアーかなんかで、嫁要らず観音経由・首無し地蔵さん参りというのがございますね。皆さん、あれに参られた方もおありと思いますが、嫁要らずの観音さんに参って、よう拝んだら、あと前の茶店でしっかりご馳走を食べて、砂糖がいっぱい詰まったような砂糖まぶしの甘納豆とか岩おこしとか、ああいう風なものをしっかり買うて帰って、バリバリ食べようたら、まあわりかし元気で早ようお参りできますよ。それから、首無し地蔵さんの所へ行っても、あの辺に大きな天ぷらのフライを売っている、かなり安く売ってくださる所があるそうですが、そこで天ぷらのフライを一人前じゃいけません、二人前三人前としっかり食べておいでんなったら、下腹もブクブクと増えてこれも早くお参りするコツであります。
ですから、いかに元気に長生きをしようかと思えば、口の方を大事にしたり、足の方を大事にしたりすることですよ。ね、それで、みなさんはおいでんなって、先生ちょっと調子が悪いんですが、ええ薬はありませんでしょうか。みんなお聞きになりますねえ。不老長寿の薬は皆さん欲しいとお思いになるでしょ。ですが、健康というのはお金で買えるものではありません。お金で買えるのでしたら、お金持ちの人で一人も死ぬ人はありませんでしょ。健康はお金では買えませんよ。まず一番は食事です。成人病、成人病といいますが、成人病の中にはみなさん恐れておられます一つは癌がありますね。男の人の三人に一人は癌で死に、女の人の四人に一人は癌で死にます。私どもの病院に馴染みの深い脳卒中がありますでしょ。脳卒中も血管がバァーンと破れて倒れる分と血管が細くなって詰まって倒れる分と両方ありますね。それから、心筋梗塞とか狭心症とかまあいろいろとこの成人病という中にもありますが、この成人病とは、ある日突然くるように思われますね、急にコトっと倒れたその日が成人病の始まりだと皆さん思っておられるかもしれませんが、成人病というのはある日突然くるんじゃないですよ。何十年も何十年も、何日も何日もの生活の積み重ねが、堰を切ってポンとできたのが成人病なんです。毎日の積み重ねの結果なのです。昨日そういうふうに、例えば「あなた、糖尿病がありますよ。」と言いますと、「あたしゃ、今まで糖尿病なんかなった事はありません。そんなこと聞いたことがありません。」たいていの人がおっしゃいますが、生まれた時から糖尿病がありましたら、そんなに長いこと生きとってはずがありません。生まれたときから先天的な病気の人がありますが、生まれた時から糖尿病というのは聞いたことがありません。成人病というのは毎日毎日の積み重ねです。そのどういう風にしたら成人病になれるか、成人病になるのもこれも努力が必要なんですよね。
一番は、先ほど申し上げましたように食事です。その次が運動です。これは、食事はこれから話しますが、その次の二番目の運動というのは、これは横着をすればするほど早く成人病になれます。できるだけ動かんことです。テレビの前でホケーっとして耳も身体も動かしちゃいけませんよ。テレビの前でホケーッとして座っていたり、朝起きても起きるのも大儀だから布団の中で浦鉾板みたいにジーッとして首を動かすのも大儀と、そういうふうにしてジーッと寝たり、ご飯だって「おいおい」と言って呼んで枕元へ持ってきてもらうように、そういうふうに横着のし放題をなさいましたら、これは覿面に成人病に早くなれます。いかに早くなれるかというのは、横着をすることです。人間足から弱ると申しますでしょ。足を使こうたらいけません。手も頭も使わんことです。そうしたら、できるだけ早くお参りができます。次ぎの三番目は寝ることです。十分睡眠をとるのは、長生きのコツなんですよ。で、「私はもう十分寝よります、朝10時頃まで寝ます。」とおっしゃる方がありますが、夜中の12時までの睡眠というのは、12時過ぎてからの睡眠の倍に当たりますからね。12時までの1時間は12時過ぎてからの睡眠の2時間分になるんですよ。ですから、12時までの睡眠は例え1時間でも是非必要なんです。理想的に言いましたら、夜は10時頃に寝て朝6時頃に起きると、昔から「早起きは三文の得」と、こう言いますでしょ。早寝早起きを心がけられたらよろしいです。朝の10時まで寝ても遅寝では意味がありません。
その次はイライラ・クヨクヨしないことです。人生終わる時には終わるんですから、いくらイライラ・クヨクヨしても、永久に生きながらえるということはありません。だったら毎日を楽しく生きられたほうがよろしいでしょ。例え脳卒中になりましても、笑う脳卒中の「笑い中風」の人は、「泣き中風」の人より早く治るとこういいますでしょ。イライラ・クヨクヨしないのが四番目です。その次が薬なんですよね。五番目が薬です。だから薬というのは、一に薬、二に薬、三に薬、四に薬、五に薬ではないんですね。食事、運動、睡眠、イライラ・クヨクヨせずにストレスを解消する。ゲートボールなんかどんどんやってください。そういうふうにして、その次が薬です。薬は単なる「引き金」ですからね。健康はお金では買えません。その健康を保持する五つの話をしましたが、その一番大事な食事のことについて、今日は簡単にお話したいと思います。
皆さんは手を見てくださいね、手に皮があるでしょ。手の皮がない人はないねえ。この手の皮は何でできていると思われますか。これはタンパク質でできているんです。タンパク質というのは、この手の皮というのはね、生まれた時の皮が、あの赤ちゃんの時の紅葉のような手のポチャポチャしたかわいいおもちのような手の、あの皮がずーっと70年も80年も一生同じ皮がくっついとるんではないんですよ。この皮は毎日毎日かわっているんです。毎日毎日かわっているこの手の皮の素というのがタンパク質でできてるんです。タンパク質だから、例えば太りすぎた人なんかに「あなた、ご馳走食べすぎですよ。」いうて言いますと、皆「いやぁ、私はご馳走は食べようりゃしません。水飲んでも太ります。」と言われます。でも水飲んで太るという人はあんまり聞きませんよね。稲を作るんでも麦を作るんでも、水だけでバリバリ大きくなって、稲穂が垂れて今年は豊作豊作なんていうことはありませんでしょ。だから私は、肥えた人なんかに「その水を持ってきてください。私は百姓をしよりますから、その水さえパッパラパッパラ降りよったら、何でもバリバリできるでしょ。おたくの下腹がこれだけ大きく広辞苑をつまむぐらい、おたくの水はよく効く訳ですから。その水を持ってきてもらって、私は百姓をします。そうしたら私は丸儲けです。とにかくおたくが水さえ運んでくれさえすればよろしいんですから。そしたら、農協に出荷しましょうか。」こういうふうに話しますが、今まで私も二十何年医者をしておりますが、その水を一滴でもくださった人がありません。これは本当に残念なことだと思っております。話が脱線しましたが、そのタンパク質ですね。タンパク質というのは是非必要なんです。大体皆さん方でしたら、50kgの人でしたら一日に50gぐらいのタンパク質が必要なんです。50gというのは、肉を50gというんじゃなくて、肉の中に含まれている蛋白や大豆の中に含まれている蛋白やその蛋白を足して50gなんですがね。身体重1キロあたり1g必要なんです。タンパク質タンパク質といいましても分かりにくいので、分かりやすくしましたら、一日に卵が一つ、卵はコレステロールが多いから絶対に食べないといわれる方がございますが、卵は一日に一つ、一つくらいの卵は完全栄養ですし、必要なんですよ。卵が一つ、豆腐が半丁、牛乳が一本、魚が一切れ、肉の赤身のところが60gとこれくらいのこの5つは是非必要なんです。だから肉だけで摂るとか魚だけで摂るとかいうんじゃなくて、いろいろなものから摂るようにするようにする、それが大事になんですねえ。で、ある大学の偉い先生が講演なさいましたそうです。質問がありましてね。「50g蛋白を取れ摂れと言われますが、先生、牛肉でしたら何gとりゃよろしいか。」いうて質問があったそうです。そしたら、その先生は「そんなことはわしゃ知らん。肉屋に聞いてくれ。」とこう言われたそうです。だから肉ばかりで摂るんではなくってね、今言いました卵が一つ、豆腐が半丁、大豆、豆製品がね、魚が一切れ、肉が60g、牛乳が一本必要なんですよ。牛乳なんか飲んだことがないとか、牛乳飲んだら下痢するからといわれる人は、料理に使われてもよろしいし、そういうふうにして、いろいろな方法で摂られた方がよろしい。
特に女の人は年を取ると骨が薄くなるんです。今、話題になっていますが、骨が薄くなって折れたり曲がったりする人が多いですね。日本人で一番足らないというか不足している養分はカルシウムです。この牛乳の中にはカルシウムがたくさんふくまれていますよねえ。特に女の人、更年期の女性にはホルモンの関係でカルシウムが足らなくなるので牛乳を是非取ってほしいです。今、蛋白をいいましたね、それから穀類も必要でして、私は太るからご飯を一切食べませんとおっしゃる方がございますが、穀類も是非必要ですから、軽く一杯ずつ、一杯といいましても100gの一杯も300gの一杯もありますが、最低110gぐらいは、三度三度は軽く一杯ずつのご飯は必要なんですよ。これもいろいろな要素が含まれていますからね。ご飯が敵のように、肥満の敵はご飯のようにおっしゃる方が多いですが、女の人が太るのはご飯じゃなくて果物やお菓子なんですね。果物やお菓子は別腹だとおっしゃる方がありますが、果物もお菓子も入るところも出るところも、溜まるとこも全部一緒です。それと主婦が太る原因が一つありますのは"もったいない袋"ですね。皆さん"もったいない袋"をお持ちですか。たいていの人がこの"もったいない袋"を持っておいでです。私も"もったいない袋"を持っていますが、私よりお年の方が多いようですから、皆さんも"もったいない袋"をお持ちと思います。その"もったいない袋"は胃のそばにありますが、やっぱりこれも入るとことも出るところも吸収するところも全部一緒です。"もったいない袋"へたくさん入れれば入れるほど下腹がブルブル増えて、さっき言いました成人病にも早くなれます。特に"もったいない袋"へ入れるので効果が多いのは、バターをたっぷり使ったフランス料理とか、お嫁さんの得意なフライパン料理とかね、油をしっかり挽いてチッチッチとしたらすぐにできますあのフライパン料理とかね。それから朝から、朝はフライ、昼はコロッケ、夜は天ぷら、こういう風に油攻めにするようなそういう風なものをしっかり作って、余ったりしたら全部"もったいない袋"へ入れていましたら、これは効果覿面です。(何の話をしようたかさっぱりわからんようになってから"笑い"本人がわからんのんですから、皆さんはいよいよわからんようになっていると思います。)
何でもバランス良くいろんなものを食べるのが必要なんで、ほどほどに仏教でも「中道」ということをいいますが、食べることもほどほど食べると、"もったいない袋"へ一杯詰め込まんとこということです。蛋白、穀類、それからその次は野菜です。今頃の人は野菜が不足している人が非常に多いんですよ。野菜を食べなさいよと申しますと、「私は朝からサラダ食べよります。サラダサラダと毎日が「サラダ記念日」のように、レタス2枚や3枚食べて、野菜をしっかり食べたと思っとられますが、あの生野菜も必要なんですけど、生野菜だけで野菜を補うということは非常に難しい訳です。一日野菜を300gぐらい摂りなさいよ、と言いますが、ホウレン草でしたらバシッと両手で一つかみ掴んだくらいが300gですから。これを生で食べよう思ったら、コケコッコかモウモウ鳴くようになりますからね。やっぱり火を通しておひたしにして量を少なくして食べたら、300gの野菜が食べられるわけです。野菜というのは身体のバランスを整えるわけですからね。例えば、肉や魚の中の物をよく吸収するようにしたりするように、野菜は「潤滑油」なんです。それと、ごぼうなんかすじばっかり食べても何の役にも立ちゃせん、栄養になりゃせんとおっしゃられるかもしれませんが、あれは"うんち"の素ですからね。"うんち"の素というのは非常に大事なんです。最近日本でも乳ガンや大腸ガンなんかが増えていますが、欧米食と言いまして、油たっぷり肉がいっぱい、魚がいっぱい、それも全部油料理でした。そういうふうな動物性脂肪が増えたために"うんち"の量が少なくなったために、便秘なんかが多いので、大腸ガンなんかが増えてるんですよ。だから"うんち"の素というのは非常に大事なんです。そういう意味でも野菜を摂ってほしいんですね。それと野菜はね、腸から油なんかを吸収するのを防ぐんです。そういう働きもあるんです。サラダばっかりでなくて、ホウレン草のおひたしをしたり小松菜の煮びたしをしたりとか、昔のようなそういう風な和風の野菜料理を是非食べてくださいね。それから、油、油といいますと、「私は動物性の脂肪はとっとらんから大丈夫です。その代わり、サラダ油やベニバナ油をしっかり使います。ありゃ先生よろしいんでしょ。動脈硬化によく効きましょう。」と、こうおっしゃいますが、油は非常にカロリーが高いんで、油も必要なんですけど、あまり摂り過ぎてはいけません。まあ、中年を過ぎたら大匙一杯くらい、一日で大匙一杯ぐらいの油ですから、油料理は一日一品とそういう風に思っておいてください。で、天ぷら天ぷら言うて、天ぷらもおいしいですねえ、今お芋の天ぷら美味しいんで、食卓に出す前にあたしなんか揚げたて二つ三つペロッと口ん中へ入れてしまいますが、ああこりゃしもうた、と告白したらいけんのんですけど、芋の天ぷら本当に美味しいですが、まあ一切れくらいにしまして、ようけようけ食べちゃいけませんよ。効き目がありますから。で、毎日天ぷらじゃいけません。天ぷらなんかは一週間一回か二回ぐらいで我慢してくださいね。それとその次は、海草とかわかめとか、いろいろバランスよく食べ、一日30種類以上のものを食べると良いと厚生省も発表しておりましたのでしょ。一日30種類以上のものを食べなさいよ。そういういろんなものをバランス良く食べる。例えばガンになるような働きにのものを食べましても、他のものを食べるとそれで打ち消すわけですから、一つのものばっかりを、これでもかこれでもかと食べましたら、もしそれが発ガン性あるものでしたら、そのためにガンになって、早うにお参りすると、そういう風なことになりますから。いろんなものを食べたら、身体の中でその毒性があっても打ち消すわけです。
その次に大事なことを言いますが、これは塩のことです。何とかして早く中風(脳卒中)になってお参りしたい、とそういう風な希望者がおられましたら、これは塩をしっかり使えばよろしい。塩をバリバリ使いましたら早う胃ガンにもなれます。もう早く旦那を逝かせたいと思いましたら、私がその極秘をまた教えますが、味噌汁をしますでしょ。味噌汁をしましたら、旦那の分だけ塩をペッペッと入れときゃよろしい。急にバーンと入れたらいけませんよ。「こりゃお前、今日の味噌汁は辛うて吸えりゃせん。」とこうですからね。じわじわと入れるわけですよ。味噌を入れたりするのは面倒臭いでしょ。溶かにゃいけんでしょ。塊を入れ溶くわけにはいきません。塩はペッペッと入れときゃよろしいですからね、じわじわ入れときましたら、味覚というのは一週間くらいで慣れますからね。一週間ぐらいでじわーっと次々余計にしといて、まあかなり多いところで止めといたら、完全犯罪ができますよ。それで血圧の高い人なんかにね、皆さん辛いものを食べようてじゃないですかと聞きますでしょ。いやあ、あたしは辛いものを食べようりゃしません。もう味噌汁でも水のようなのを吸いようります。たいていの人がおっしゃいます。私は辛好きですよとおっしゃる方はめったとありません。で、そのお味噌汁をお持ちくださいとこう言いまして、その水のように薄い味噌汁を皆さんに持ってきていただくと、たいていびっくりするほど辛いですよ。だから味付けというのは一週間で慣れるんです。辛いものを食べてましたら、一週間で辛い味に慣れますし、じゃ踏ん張って長生きをしようと思って薄くしましたら、最初は家族の人がこんなに水臭いのが食べれるきゃ、とブリブリ言われそうですが、一週間それで辛抱されましたら、塩気をだいぶ節約できます。
私はいつも皆さんに言うんですが、あれも少のうせい、これも少のうせい、塩も少のうして、砂糖も少のうして、みりんも少のうして、何も少のうして少のうして、少のうせい少のうせい言いまして、あれも買いなさい、これも買いなさいとお金のかかることは一つも言いません。ですから、これだけ節約を勧めるんですから、皆さんはたいてい蔵が建つと思いますから、その蔵が建てる時には、建前に呼んでほしいと、皆にこういう風にお願いしてるんですが、塩や砂糖を節約して蔵が建ったと言って建前に呼んでくれてん人が一人もありませんが、この中では誰か建前をされる方があると思いますから、蔵が建つときには是非呼んでください。今日のこれを覚えといてくださいね。で、「若い者はよう運動するんだから塩をよう摂らなにゃ身体が続かんから。私の味噌汁だけ先にして、若い者に味噌をしこたま入れてからまた吸わすんです。」と、こうおっしゃる方がありますが、塩気というのは身体の中で入るのが少なかったら、身体が出さないようにして身体で調節する働きがあるんですよ。だから若いからいうて塩分をバリバリ、バリバリ摂る必要はありません。入らなんだら、出さんようにするようにできてるんです。元気で長生きして、血圧も高うないようにして、胃ガンにもならんように、動脈硬化にもならんようにと、家族も息子も孫も全部そういうふうにしよう思うたら、みんな薄味にすることです。だけど「このババア死に腐れ」と、いつも文句たらたらの孫にはちょっとでも塩を入れた方がよろしい。その方が人生は楽しいですよ、ね。
で、ご飯もバリバリ、バリバリ2〜3分で食べる人がありますが、ご飯というのは、ゆっくり楽しんで食べるのが必要なんです。よく肥えとられる人は、ゆっくり食べるだけでもやせるんですよ。ご飯というのは、食事というのは頭で食べるんです。口で食べずに頭で食べるんですよ。「ああこりゃ何でできとんのかな。このホウレン草には鰹節だけしかかかってないけど、ホウレン草の味がして美味しいな。」とこういう風に思いながら、ゆっくり食べるんです。で、食事は楽しい話をして食べるんですよ。面白うにゃ面白うにゃ、食事の度にご飯の度にこのクソじじい見とうもにゃというような、面白うにゃー話をしちゃいけませんよ。楽しい話をしてゆっくり食べる。どうしてゆっくり食べれば良いかと言いましたら、ご飯が来た来た、美味しい美味しい、と頭の中で思いましたら、頭の食べる中枢がね、満足してくるわけです。早く食べたら、頭がああご飯が来たと思わんうちにととっととととっと胃の中へ突っ込んでしまって、どうしても食べ過ぎるようになるからね。ゆっくりゆっくり噛んで食べましょう。
それと先ほどから食べ過ぎてお腹パンパンの人の話ばかりをしましたが、体重というのは増え過ぎてもいけませんが、痩せ過ぎてもいけません。ほどほどということです。標準身体重よりはちょっと太め、ちょっと太めというのがというのが一番よろしい、ちょっと太めが一番長生きできます。簡単に言いました自分の身長から100引いてその引いた数に0.9を掛けたぐらいが大体の標準身体重なんです。が、これよりもちょっと太めが一番よろしいです。痩せ過ぎも太り過ぎもいけませんねえ。だから何でもほどほどということです。だからタバコやお酒やジュースの話を少ししておきますが、酒は昔から長寿の薬にもなるし、死に水にもなるといいますが、これもほどほどで一合までで、一日一合以内で、一週間に一回ぐらいは休肝日が要ります。一合以内を一週間に一回の休肝日で飲まれるくらいでしたら、少しお酒を飲まれた方が長生きができます。これはストレスを取ったりするそういう働きがあるからだと思います。が、今日飲んだ方がいいというところだけを聞いて帰られて、バリバリバリバリ朝から飲まれちゃいけませんよ。「先生、一回に一合くらいでええでしょうか」と訊かれる人があります。一回に一合でよろしいとこう言いましたら、家へ帰って「先生、一回に一合はええ言うっちゃった。けど、何回たあ言うてなかった。」朝昼晩に十時に三時に寝る前と、こういう風に一回に一合ずつですよ。一合ずつをいかれましたら、ちょっと考えましても少し多いでしょう。一日一回晩酌に一合以内、七尺くらいがいいんですが、そういうふうにお酒は飲んでくださいね。
それとタバコです。タバコは一本吸われても毒です。動脈硬化も進みますし、タバコを吸われる方は肺ガンも多いですし、20本以上20年以上吸われましたら、肺ガンになる率が十何倍いうて普通の人より多いですよ。家の人がプカプカタバコを吸いましたら、子供の喘息でも多ゆうなりますよ、奥さんだって早うお参りできます。共々に早うお参りしようと思いましたら、旦那にしっかりタバコを吸ってもらって、自分も習うことですよ。そうしましたら、肺ガンで苦しんで、共々に苦しんで早うお参りができます。次は大流行のジュースですが、戦後とか戦時中は脚気なんかありましたねえ。今頃は脚気なんかないと思っておりましたが、今は中学とか高校生とかなんかでしっかり運動して、帰りにホームサイズのコーラを飲んで、ポテトチップスをバリバリ食べて、家へ帰ったらインスタントラーメンをしゃっしゃっしゃと(食べる)とそういうふうな人に脚気があるんです。ジュースの中には砂糖がたくさんありますから、砂糖は身体の中で砂糖を吸収しようと思ったら、ビタミンがいるわけです。ジュースやなんか飲み過ぎてビタミン不足してジュースなんか飲み過ぎるために鉄分なんかが少なくなって、貧血になったりとか、こういう風な病気が若い人に多いんですよ。今頃の家庭では、まな板のない家庭があります。今、まな板なんていりゃあしません。スーパーへ行きましたらキャベツでも切って売りょうりますし、チキンナゲットよ、何とかフライよ、何とかの惣菜よ、何とかのテリーヌとカタカナの名前の食事がいっぱいありますからね、お皿も要りませんよ、そういう風なのをスーパーでちゃんと買ってきて、ああご飯ですああご飯ですよと言って、そのパックのビニールの袋をピーッと破って、パーッと並べて取りましたらもう何にもいりゃしません。後で洗うこともいりません。そういう風に簡単に何でも手に入る時代なんですが、売ってるお惣菜物は非常に味付けが辛い、外食も味付けが辛いですね。そりゃ、お店屋さんで甘いのを出したらビールの売り上げが少なくなりますからね。しっかり辛いのを食べてもろうて、喉を渇かしてもろうて、ビールやお酒をカプカプカプカプ飲んでもらわんと売上が少なくなりますから、外食というのは大体辛うしてあります。腐ったり何かしないために、お店で売ってるものはいろいろ添加物もありますから、皆さんできるだけ新鮮な素材を買って帰って、その素材の味で、ホウレン草はホウレン草の味で、鯖は鯖の味で食べるようにね。砂糖やみりんや醤油を甘露煮のような味で食べないように、本来の味で食べるとこういう風に心掛けてください。本来の味で食べる、その季節その季節の旬のものを食べると、真冬にキュウリを食べたりスイカ食べたりせんでもよろしいです。冬は冬の野菜を、春は春の野菜を、夏は夏のものをと、旬のものを食べるようにね。調味料はバリバリ使わずに、愛情調味料をかけると。愛情調味料をお持ちでしょ。ね、塩や砂糖を使うんじゃないんですよ、調味料で調理して、できるだけ楽しくて長い、自分のことは自分でできて、愉快な人生を過ごすと、そういうこと風にしたいと思います。
御清聴有難うございました。

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